日本国内のみならず世界中が大騒ぎになっている新型コロナウィルス肺炎ですが、日本近海を運航しているダイヤモンドプリンセス乗船者に羅患者がいたことで、クルーズ好き界隈でも随分と話題になっています。
本稿では、クルーズ好きとしては他人ごとではないこの騒ぎについての所感を綴っておきたいと思います。
新型感染症と人類の戦いは常に4ステップ
新型肺炎や新型インフルエンザなど、何年かごとに新しい型の病気がみつかり、その対処に追われていますが、感染性の新しい病気への対応はおおむね以下の4ステップです。
1.新型感染症の感染が発見される
2.感染者を隔離することで、感染の拡大を阻止する
3.新型感染症のための新型ワクチンを開発する
4.ワクチンを感染者に投与する
現在、新型コロナウィルス肺炎は、この2つめのフェーズにあり、奇しくもダイヤモンドプリンセスでその隔離がなされていることになります。
国内に感染者をいたずらに増やさない水際対策として、物理的に完全に隔離できるクルーズ船というのは、脱走の心配もなく、実は隔離状況にはとても適しているのではないでしょうか。
クルーズ船と感染症との戦いは今回が初めてではない
今回は、新型コロナウィルスという全世界的に大注目されているウィルスが原因ということで、ダイヤモンドプリンセスに大きな注目が集まっていますが、クルーズ船で感染症騒ぎが起きたのはこれが初めてではありません。
特に冬場のクルーズにおいては、インフルエンザだったり、ノロウィルスだったり、クルーズ船内での集団感染が発生することがありました。
通常時のクルーズ船内での感染症対策
前述のとおり、インフルエンザやノロウィルスなどの集団感染を防ぐため、最近では乗船前には必ずアルコール消毒が置かれていますし、レストランには手洗い用の水道も設置されています。
残念ながら全員が全員これをきちんと使用していないという点に問題はありますが、一応の感染症対策がなされています。
また、以前乗船したクルーズでは、ビュッフェレストランでは料理がガラスケースの向こう側にあり乗客が自分で料理を取ることができず、必ずスタッフに盛り付けてもらうことになっていたり、スタッフも必ずマスクを着用している、ということもありました。
隔離されたらどうするかを考える
自分が感染していなくても、もしクルーズ船内で隔離されたらどうするか、ということを考えてみました。
今回のダイヤモンドプリンセスでは、感染していなくても乗客は自分のキャビンから出ることを許されず、食事はドア前で受渡し、テレビは少し見られて、トランプや数独が配られて、Wi-Fiが無料開放されているようです。
通常時であれば船内ではどこもかしこも楽しいイベントで盛りだくさんですが、一日中キャビンに閉じ込められるというのはやはり退屈です。
一人でクルーズに乗船していたら、本を読んだりネットサーフィンしたりテレビを観たりしても、寂しさに耐えられない気がします。。。
今後のクルーズへの教訓や準備
バルコニー客室以上を選ぶ
太陽の光というのは、光合成をする植物だけでなく人間にとっても大事なことだというのはよく知られた話ですが、ダイヤモンドブリンセスには内側の窓無しキャビンもたくさんあります。
部屋から出られないとなると、14日間、つまり半月もの間、日の光を浴びることができないのか!?と思うと、やはりクルーズではバルコニー客室を選びたくなります。
多めに常備薬を持っていく
旅行に行くときにピッタリの数だけの薬を持っていく人はそんなにいないかもしれませんが、やはりトラブル時を想定して、少し多めに処方薬や常備薬を持っていくことは大切です。
「持病の薬が切れた」と言っても、何千人もを相手にしていると後回しにされてしまうリスクがありますから。
かさばらない暇つぶしアイテムを数種類用意する
スマホやタブレットの中に、電子書籍を入れておいたり、ゲームアプリを入れておいたりするのは有効ですね。
クルーズは楽しいもの
今回のコロナウィルスの騒ぎで、クルーズ旅行にネガティブな意見が出ていることは知っていますが、それでもやはり私はクルーズ旅行の楽しさを知っているので、せっかく賑わってきている日本のクルーズ旅行市場がしぼんでしまわないことを祈っています。
ダイヤモンドプリンセスは長崎の三菱重工で作られた日本生まれの稀有な客船で、これからも日本近海で楽しいエンターテイメントを提供し続けて欲しいものです。
おわりに
今回の新型コロナウィルス肺炎に羅患された方、ダイヤモンドプリンセス乗船中に強制隔離されてしまった方に心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く騒ぎが収束することを願っています。