おそらくほとんどの人が”グローブトロッター”と言われて思い浮かべるスーツケースは、白いボディに革のベルトがかかったサファリというシリーズなのではないでしょうか。
新品の時はまさに真っ白!なこのサファリが、10年使うとどこがどう変化するの?というのを、実際に10年以上サファリを使ってみた感想とともにご紹介します。
なお私はグローブトロッターのスーツケースを愛用し、ロンドンまでビスポークしに出かけ、気付けば大小10個を超えるグローブトロッターを所有している、自他ともに認めるグローブトロッターマニアです。
そもそもサファリとはどんなスーツケース?
グローブトロッター社のサイトに書かれたサファリの紹介は以下の通り。
1920 年代後半に製作し、人気を博したモデルのリバイバル「サファリ」。
サファリシリーズには、全く色を付けていないナチュラルレザーを用いており、使い込むほどにアメ色へと変化する風合いをお楽しみいただけます。
アイボリーホワイト、またはコロニアルブラウン&ナチュラルレザーベルトの絶妙なマッチングは、旅慣れた人の新たな冒険心をくすぐるコロニアル・テイストです。
コロニアル・テイストとは、その意味を直訳した植民地風味ということではなく、欧米諸国が植民地支配をしていた時代に流行っていたテイスト、というような意味です。要するに、「古くてかっこいい感じのテイスト」です。
色は、ボディが白っぽいアイボリーと、ボディが黒っぽいコロニアルブラウンの二色展開です。
経年劣化ではない
長年使って物が変化することを、「経年劣化」という言葉を使うこともありますが、グローブトロッターの経年変化は「劣化」ではない、と考えています。
新品が綺麗なことは紛れもない事実ですが、長年使用したことにより「味が出る」ことは、劣化ではなく、進化とも言えるかもしれません。
一番の変化はヌメ革がアメ色に変色すること
経年変化の目玉は、やはりベルトのヌメ革(ナチュラルレザー)の色がどんどん濃くなり、アメ色に変化することです。上の写真は、2年ほど使ったミニトランクと、新品の革を比較したところです。すでに新品に比べると濃くなっていますが・・・
実際に10年使うと、もう少し色が濃くなって、上の写真くらいになります。
ヌメ革のバッグを購入した際には、使用する前にバッグを日に当ててある程度日焼けさせてから使い始めることで傷や汚れ、雨に強くなりますが、グローブトロッターのヌメ革も同じように、少し日焼けさせてから使い始め、そして使っているうちにどんどん色が濃くなっていることを感じます。
もしも、ナチュラルレザーの最初の色のままずっと使いたい!と思っても、部屋の蛍光灯でも日焼けしますので、真っ白のまま、というのは難しいでしょう。
コーナーベルトは傷だらけ
色の変化だけでなく、気になるのは傷やヘコみ、という方もおられるでしょう。
実際、コーナーベルトは上の写真の通り傷だらけです。でも、不思議と「ボロボロ」という印象はありません。
ボディは意外と汚れない
サファリのアイボリーは、見た目は可愛いけど汚れそう・・・と言われるのですが、実はそんなに汚れは気になりません。
空港でポンポン投げられたりして、多少の汚れがついても、旅行から帰ってきた時に中性洗剤でちょっと拭き取ってあげるだけで、たいていの汚れはなくなりますし、小さい汚れなら消しゴムで落ちるのです。
海外でも国内でもグローブトロッターを旅行に持っていくと、飛行機に預けた時や街中で引きずる時に少しずつ汚れてしまうものです。グローブトロッターは使えば使うほど、経年により味が出るスーツケースではありますが、長く使うためにも旅行から帰ってき[…]
金属は剥げる覚悟が必要
残念ながら、鍵の部分の金属は剥げる覚悟が必要です。
グローブトロッターは、シリーズによってこの金属部分が金色のものと銀色のものがあって、サファリシリーズは金属が金色です。
経年によって剥げて見栄えが悪くなってしまっているのは金色のものだけで、同じくらいの年数を使っても銀色のものは綺麗なままです。
どうしても見た目が悪くなるのが嫌だ!という場合には、金属が銀色のデザインの物を選ぶのも手です。
私が所有している26インチのトローリーケースは、パッと見はサファリのコロニアルブラウンなのですが、実は三越の別注品で、金属部分は銀色という珍しいもので、購入時は金色か銀色かなんて意識してなかったのですが、時間が経ってから、銀色で良かった!と思いました。
内装は気をつけて使えば綺麗なまま
内装は、元々の作りがシンプルということもあり、特に汚れも傷みもなく、綺麗なままです。
ただ、お土産のお酒がこぼれた!とか、化粧水がこぼれた!とか、ビールが破裂した!なんていうスーツケース内トラブルはよく耳にするので、スーツケースの中に入れる液体物には要注意です。
以前家族が、グローブトロッターではないスーツケースの中でオレンジジュースの缶が金具に引っかかって破裂し、修理の見積もりを出したらもう一個スーツケース買えそうな値段だったから諦めた、と言っていました。。。
時には修理が必要かも
グローブトロッターの車輪は、お世辞にも頑丈とは言い難いので、ある程度頻繁に使っていれば壊れます。
スーツケースの修理には旅行保険が使えるので、予め「そのうち壊れるから修理が必要になる」と思っていれば、別に怖いものではありません。
「携行品損害」がある旅行保険が自動付帯となっているクレジットカードを1枚持っておけば事足ります。
年会費無料で海外旅行保険付きならエポスカード、年会費がかかっても旅行保険+αの特典が付いているカードが良いなら三井住友VISAゴールドカードがオススメです。
実際にこの2年で2回、別のグローブトロッターを修理に出した際の記事もご参考まで。
このサイトでたびたびご紹介しているグローブトロッターは、親子三代で使えるような資産となるものですが、日々のメンテナンスや、酷使しているうちに修理が必要になることも起こり得ます。今回、海外出張中にグローブトロッターのキャスター(車輪)とボ[…]
半年ほど前に、グローブトロッターの修理顛末を記事にしたのですが、なんと12月にヨーロッパ旅行に出かけた際、またしてもグローブトロッターの車輪が壊れるという不運に見舞われました。さすがに半年で2回も同じスーツケースが壊れたわけではなく、前回と[…]
旅行のおともにサファリはオススメ!
スーツケースなんて何でも良いという人もいるかもしれませんが、やはりお気に入りのスーツケースで旅行するだけで、その旅のテンションが上がりますし、旅のスナップショットにサファリが写り込むのも素敵です。
もしも、この記事をご覧になっている方がサファリの購入を迷っているのであれば、「迷わず買っちゃえ!」とアドバイスしたいです。