奈良国立博物館で期間限定で行われた正倉院展を訪れたついでに、長らく泊まってみたいホテルリストに入っていた奈良ホテルに宿泊してみました。
これまで長期の休みにはほぼ毎回海外旅行に行っていたのですが、コロナの影響でまだまだ海外旅行は現実的ではなく、せっかくなので日帰りではなく奈良に2泊してホテルステイも楽しむことにしたのでした。
奈良を訪れるのは学生時代の修学旅行以来数十年ぶり。学生のときにはあまり楽しめなかった寺社仏閣めぐりも、大人になって知識や経験が増えると、なかなか楽しいものだと感じます。
チェックイン前から期待を裏切らないホスピタリティ
普段の旅行はたいてい公共交通機関を使うのですが、緊急事態宣言が明けたとはいえまだまだコロナ禍ということもあり、今回はかなりの時間をかけて車で奈良まで訪れました。
チェックインは15時からだったのですが、ホテルに到着したのは13時前。さすがに早すぎるのはわかっていたのでカフェで一休みすることにしたのですが、お茶を飲んでいる間に、駐車場で案内してくれた係員の方が「○○様、チェックインのご用意ができていますので、いつでもお申し付けください」と声をかけてくださいました。
宿泊客もそうでないお客さんもたくさんいる中で、客の顔を覚えて名前で声をかけるというのはなかなかできることではありませんので、さすが一流ホテルだなぁと感心しました。
歴史を感じる展示物の数々
ホテルの中は、さながら博物館のようで、歴史的価値のある展示物がたくさんありました。
なんとそれらを紹介するパンフレットまで紹介されていて、昨今のオシャレ系外資ホテルとは路線が違うなぁと感じます。
その中でも興味を惹かれたものをいくつか紹介します。
鳥居のマントルピース
マントルピース(暖炉)といえば洋風なものという常識を覆す、鳥居を形どったマントルピース。現在は使われていないそうですが、不思議なデザインです。
平成の大時計
この大時計は、平成の始めに天皇陛下のご即位を祝して置かれたものとのこと。
平成2年に天皇皇后両陛下が来館された際には、「伝統の奈良ホテルにふさわしい置物」とのお言葉を賜ったそうです。
アインシュタインのピアノ
このピアノは、1922年にアインシュタイン博士が来館した際にも弾かれたとのことで、その写真とともに展示されています。
戦後の混乱の中に接収され、別の場所に保管されていたものの、ホテルの開業100周年記念事業としてホテルに戻ってきて、展示されているとのことでした。
和風シャンデリア
ホテルの至るところで目に入るのが、独特の形状の照明です。
特に正面玄関を入って、大階段をのぼった先にある大振りのシャンデリアは一見の価値があります。
大階段
格好の撮影スポットと思われる大階段。
私が宿泊した日は、ちょうど結婚式が執り行われていて、新郎新婦の記念撮影もされていました。
著名人、皇族の来訪
歴史ある奈良ホテルは、奈良の迎賓館という性格もあるようで、これまでに訪れた著名人や皇族の方々の写真も展示されていました。
宿泊は新館で
今回は、予約したのが直前かつ観光シーズンで、本館は満室だったため、新館に宿泊しました。
新館といいつつもそんなに新しくはなさそうで、少し古さは感じつつも丁寧に手入れされているホテルでした。
本館の1階が新館の5階とつながっているという高低差がある作りで、少し混乱します。
部屋はシンプルながらも余裕がある広々とした空間で、隣の部屋の音も聞こえず、快適に過ごせました。
次回宿泊する際には、ぜひとも歴史ある本館に宿泊したいものです。
レストラン三笠で本格フレンチを堪能
今回はホテルステイを楽しむことも目的の一つとしたため、朝食も夕食もホテルのレストランを利用しました。
奈良ホテルには、「三笠」というフレンチレストランと「花菊」という日本料理レストランがあり、今回2泊したので両方のレストランを利用してみました。
お値段的にもキャパ的にも三笠>>花菊で、もし1泊しかしないのであれば間違いなく三笠で食事するのがオススメです。