3月のCOVID-19のパンデミックにより、国を跨いでの移動が大幅に制限され、世界中の主要なクルーズ港も閉鎖を余儀なくされました。
ヨーロッパを中心にしてCOVID-19の流行は縮小化を見せ、少しずつですがクルーズ船の運行も再開される見通しがたってきましたが、クルーズ港そのものが閉鎖されていてはクルーズ船の運行再開はできません。
そこで、本稿では、世界中の主要なクルーズ港の再開の見通しについてまとめます。
ヨーロッパのクルーズ港の再開状況
地中海クルーズ、バルト海クルーズ、フィヨルドクルーズ・・・ヨーロッパは、趣の異なる複数のクルーズのメッカです。
ヨーロッパのほとんどの国が加盟するEUヨーロッパ連合は、7月1日に一部の国に対して国境を解放し、これに先立ちクルーズ船の安全な再開に関するガイドラインを発表しています。
このガイドラインには、適切な消毒や船内でのソーシャルディスタンスの確保などの項目が含まれていて、まさに新しいクルーズ様式といった印象です。
スペイン
スペインの主要なクルーズ港であり、様々なクルーズの発着地として利用者も多いバルセロナ港は、6月21日に国境を解放しました。
クロアチア
ドゥブロブニクなど、地中海クルーズの目玉ともいえるクルーズ港を擁するクロアチアは、7月1日にEUを含むヨーロッパ諸国に国境を解放しました。ヨーロッパ以外の国籍者も、オンラインで入国パスを申請することができるようです。
ノルウェー
フィヨルドクルーズで有名なノルウェーでは、一部のクルーズが6月から再開しています。しかし、そもそもノルウェーへの入国がまだまだ困難なため、国内あるいはEU市民向けと言えそうです。
北米のクルーズ港の再開状況
アメリカを中心に、カナダやメキシコなど、寒い地域も暑い地域もカバーする北米のクルーズ港は、まだまだ見通しがたっていないところがほとんどです。
フロリダ
フロリダには有名なクルーズ港がたくさんありますが、その全てが9月15日までは閉鎖することが決まっています。それ以降も、CLIA(クルーズ国際協会)の指示に従い、どうなるかは未定です。
キーウェスト
キーウェスト港は、すでに運営を再開しています。
しかし、訪問者にはフェイスカバーの着用が義務付けられるなどの対策がされています。
バーハーバー
メイン州にあるバーハーバー港は、2020年の末まで、すべてのクルーズ船の来航禁止を発表しました。
ハワイ
ハワイでは、港は閉鎖されておらず、プリンセスクルーズやディズニークルーズなど、運行停止中のいくつかのクルーズ船が停泊中のようです。
クルーズ港が閉鎖されていなくても、実質的に動いているクルーズ船は無いようです。
カナダ
カナダでは、10月31日まで100人以上が乗船する中型・大型のクルーズ船の運行を禁止しています。
中南米のクルーズ港の再開状況
メキシカンリビエラクルーズやバハマクルーズといった、太陽光をいっぱい浴びる南国クルーズの印象が強い中南米の国々でも、依然として国境の閉鎖が続いています。
メキシコ
メキシコのクルーズ港は、現時点では閉鎖されたままです。米国との国境も9月21日まで閉鎖される予定です。
バハマ
数えきれないほどの小島からなるバハマ諸島では、クルーズ港は閉鎖されていないものの、厳しく管理されています。
乗船前の健康ビザの申請と、入国後14日間の強制検疫が義務付けられています。
グランドケイマン
グランドケイマンは、10月1日から段階的に国境を再開する予定です。しかし、国境が再開してもバハマと同様に厳しい管理が義務付けられる見込みです。
おわりに
主要なクルーズ港の再開状況を調べてみましたが、クルーズ旅行が解禁されるのはまだまだ先になりそうだな、という印象です。
クルーズ港そのものが再開していても、その国までたどり着く手立ても必要ですし、乗船前に2週間の強制隔離が必要となれば、通常のクルーズの前泊なんていう軽いものではありません。