横浜沖でのダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウィルス集団感染はまだまだ記憶に新しいところですが、依然として国内はもちろん海外においても新型コロナウィルス収束の目処は立っていません。
今回のことで大打撃を受けているクルーズ業界ですが、ポストコロナのクルーズ船の運行開始について、各社で対応を進めています。
プリンセスクルーズは、「安全にクルーズ旅行をお楽しみいただくために」と題して、より一層安全を強化することを発表しました。
乗船前の取組み
グローバル・ヘルス・マップを継続的に確認し、影響を受けるエリアへの旅程をキャンセルまたは変更します。
耳慣れないグローバルヘルスマップというのは、どこか特定の機関が発表している地図があるのではなく、米国疾病予防 管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)、クルーズライン国際協会(CLIA)などの公衆衛生担当者と緊密に連携し、何か問題がある地域へのクルーズについて、抜港や寄港地変更をする、ということのようです。
ちなみに、WHOは、Global Health Observation Mapというページで世界中の公衆衛生の状況を発表しているので、海外旅行の際には外務省の海外安全ホームページとともにチェックすると良いでしょう。
以下の基準に該当するお客様および乗務員は乗船ができません。
・COVID-19の疑いのある、あるいは確認された人と接触した場合。またはCOVID-19に関する監視下にある人と接触した場合。
・乗船前に発熱やインフルエンザのような症状が出ている場合。
・深刻な持病をお持ちの場合。
乗船前の時点で、すでに発熱などの症状が出ている場合はもちろんのこと、濃厚接触の疑いがある場合なども乗船を拒否されることが発表されています。
気になるのは、最後の「深刻な持病をお持ちの場合」です。クルーズ乗船者は比較的高齢の方が多く、持病がない方の方が少ないと思われるので、その持病について何が深刻で何が深刻ではないのかというのはなかなか難しい判断になりそうです。
乗船時に
乗船時に、全ての乗務員とお客様を対象としたスクリーニングを行います。
これまでのクルーズ乗船前の健康調査というと、自己申告制で簡単な問診票で、言ってしまえばいくらでも嘘がつけてしまうものでした。しかし、今後はサーモグラフィーを使った検温を実施するとのことで、少なくても発熱している人は一発アウトになります。
全世界の乗船ターミナルにおいても、手が触れる全てのエリアの消毒がより強化した手順で順次実施されます。消毒は、航行、停泊する前後および乗船、下船の際に各ターミナルで行われます。
上下船には時間がかかるものですが、このような手続きが実施されるとなると、今後ますます時間がかかることは必至です。
一乗客として、消毒は必要なことというのはもちろん認識した上で、消毒対応のために寄港地での滞在時間が短くなったりしないと良いなと思うのですが。。。
乗船中に
レストランとバーのテーブルや椅子、カジノのチップやスポーツジムの設備といった全公共エリアやその他手に触れる箇所をより頻繁に消毒いたします。
これまでのクルーズにおいても、公共エリアは割と頻繁にお掃除されている印象がありましたが、より一層頻繁に消毒するとのこと。乗員の方の負担が増えることは間違いないですね。
手洗いおよび手の消毒の強化
全てのダイニングおよびブッフェの入り口に手洗い場や手指消毒剤を設置しております。
これまでも乗船口やダイニングの入り口には消毒液が置かれていましたが、使っていない人も多くいました。
スタッフが誘導することで必ず全員が手指を消毒してからダイニングエリアに入るというのは大事なことですね。
プリンセス・クルーズの全客船内の医務室にはCOVID-19の対応に関する特別研修を受けた医療チームが常駐します。
COVID-19の特別研修というのがどういう類のものなのかは甚だ疑問ではありますが、寄港中ならまだしも洋上で体調不良になってしまった際に頼れるのは医務室です。
クルーズ再開の目処は?
さて、どんなに「対策を強化します」と言っても、そもそもクルーズそのものが再開されなければ意味がありません。
プリンセスクルーズは当初5月10日まで、18隻の全てのクルーズを休止することを発表していましたが、休止期間は6月30日まで延長されることが再び発表されています。
また、日本発着のダイヤモンドプリンセスについては8月4日出発分までの中止が決定しており、私も夏休みに予約していたクルーズがキャンセルとなってしまいました。
クルーズに行けないことは残念ですが、今は自分と自分の家族の健康を第一に、そして不用意な外出は避け、1日も早く元の生活に戻れることを願って止みません。