新型コロナウィルスによるクルーズ各社への影響まとめ

連日のようにテレビでもネットでもニュースにダイヤモンドプリンセスの状況が報道され目が離せない状況である一方で、ウェステルダムはなんと2週間もの間、受入港がなく洋上をさまよった挙句、ようやくカンボジアのシアヌークビルに入港しました。

日本では全く報道されていませんが、新型コロナウィルスの影響を受けたのはダイヤモンドプリンセスとウェステルダムだけではありません。

2020年2月13日現在、主なクルーズ各社がどのような対応を取っているのかを、わかっている範囲でまとめておきたいと思います。

国際クルーズ協会の決定

いろんな分野の仕事に業界団体があるのと同様に、クルーズ業界にはCruise Lines International Association (CLIA)、つまり国際クルーズ協会があり、クルーズ会社各社は基本的にこの業界団体の決定に従います。

WHOの声明を受けて、CLIAは2月7日に新型コロナウィルス対策の決定をし、CLIAに加盟しているクルーズ会社はこの決定に従うことになりました。

CLIAの決定は、主に以下の3点です。

1.乗船前14日以内に、香港とマカオを含む中国の空港を経由して旅行、訪問、または通過したすべての人の乗船を拒否すること

2.乗船前14日以内にコロナウイルスの疑いがあると診断された人、またはコロナウイルスに感染していると診断された人、または現在新規のコロナウイルスにさらされている可能性のある健康モニタリングを受けている人すべての乗船を拒否すること

3.乗船前には予防措置として必要なスクリーニングを実施すること。必要に応じて、新規コロナウイルスの症状を示す疑いがある人には、さらに検査を実施すること

プリンセスクルーズの対応

乗船可否の判断

ダイヤモンドプリンセスの状況は皆さんが知るところですが、プリンセスクルーズの他のクルーズ船では、CLIAの決定に従い、14日以内に中国・香港・マカオに訪れたことがある方はたとえクルーズの予約を持っていても乗船できません。

クルーズの旅程の変更、キャンセル

ダイヤモンドプリンセスのクルーズは3月中旬まで全てキャンセルとなりました。

ダイヤモンドプリンセスと同じく長崎の三菱造船所で作られた姉妹船として知られるサファイヤプリンセスは、2月13日、23日、そして6月3日と11日に出発する4本のクルーズがキャンセルされました。

また、サファイヤプリンセスの4月から5月にかけてのクルーズの出発・到着港の一部が、上海から東京(横浜港)に変更されています。

少し小型のサンプリンセスでは4月〜7月にかけて、香港や上海に寄港するクルーズが予定されていますが、こちらは寄港だけがキャンセルされ、クルーズ自体は今のところ中止にはなっていません。今後の状況で大きく変わる可能性はあります。

コスタクルーズの対応

乗船可否の判断

コスタクルーズも、CLIAの決定に従い、14日以内に中国・香港・マカオに訪れたことがある方の乗船を拒否しています。

そして、乗船前のスクリーニングとして、健康申告書の提出を義務付け、場合によっては検温も実施しています。

クルーズ旅程の変更、キャンセル

コスタクルーズは、アジアにもいくつかのクルーズ船を配備していることから、今回かなりたくさんの影響が出ています。

中国を中心に日本にも寄港することがある4船(コスタセレーナ、コスタアトランティカ、コスタベネチア、コスタネオロマンティカ)は、2月末まで全てのクルーズがキャンセルになることが決定しています。3月は未定ですが、このままでは3月も引き続きキャンセルになる見込みが大きいと考えるのが妥当でしょう。

キュナードラインの対応

乗船可否の判断

クイーンエリザベス等の高級船を運行していることで知られるキュナードラインも、CLIAの決定に従い、14日以内に中国・香港・マカオに訪れたことがある方の乗船は認めていません。

クルーズ旅程の変更、キャンセル

クイーンメリー2は、現在マレーシアのクアラルンプール港にドッキング中ですが、直前のクルーズでは香港、シンガポール、ホーチミン、ニャチャンへの寄港がキャンセルされました。

今後も、アジアへの配船はことごとくキャンセルされ、オーストラリアに向かうよう変更されました。

クイーンエリザベスは、3月末〜4月頭にかけて香港、上海への寄港が予定されていましたが、すでにキャンセルが決まっています。抜港ではなく寄港地変更となる可能性はありますが、代替港は発表されていないようでした。

MSCクルーズの対応

乗船可否の判断

MSCクルーズは、CLIAの決定よりも厳しい基準でスクリーニングを実施しています。

1.乗船前30日以内に中国への渡航歴がある場合は乗船が拒否されること

2.非接触のサーマルスキャンによる検温が実施され、発熱、咳などの症状がある場合は乗船を拒否されること

3.海域を限定せず、全てのクルーズ船で通常時よりも高度な衛生設備が設けられていること

4.発熱などの症状が出た場合は、本人だけでなく同室の乗客、接触した疑いが大きい乗員も含めて強制的に隔離されること

クルーズ旅程の変更、キャンセル

上海から定期クルーズを実施していたMSCスプレンディダの3クルーズはキャンセルされました。2月14日からは上海ではなくシンガポールから中東・ヨーロッパへの一ヶ月近い長期クルーズが開始されますが、予定されていた那覇と香港への寄港はマレーシアとベトナムの各港に変更されます。

おわりに

全世界を巻き込んでの新型コロナウィルス騒動は、クルーズ業界へも多大な影響を及ぼしています。

すでに予約しているクルーズがある場合は、クルーズが予定どおり実施されるのか、実施されるとしても寄港地または上下船地の変更はないのか、自分が乗る予定のクルーズの健康安全措置は万全なのか。。。等、この状況でクルーズに乗船するリスクをよく考える必要があります。

いずれにせよ、早くこの騒ぎが収束し、またクルーズ業界が楽しい話題で盛り上がれる日が来るのを心待ちにしています。

 

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